例えば出張などで公共の場(ネットカフェやホテル等)を利用して会社で支給されたPCを使用しインターネットをするとき、「あれ、つながらない」とか有線の場合とかで「ネットワークケーブル(LANケーブル)が接続されていません」と表示され、インターネットを利用できないなんてときを経験した方はいらっしゃいませんでしょうか??
設備はあるのにインターネットが使えない。問い合わせても解決できない。メールをどうしても送らなきゃいけないのにこれじゃ困ってしまいます。
その原因として、LANケーブルの不具合やプロキシ等が挙げられますが、
それ以前の問題として「通信速度や通信方式」の問題があります。
ここではこれらの説明と設定変更を記しておきます。
まずは簡単に色々と説明から入ります。
通信速度と通信方式
私たちが利用しているLAN(ローカルエリアネットワーク)はそれを構築するために利用されている「イーサネット」というものがあります。
イーサネット(Ethernet)というのは同軸ケーブルを利用して高速な通信を行なうネットワークインターフェイスといった具合です。
あんまり難しく考えてはいけませんね。簡単にLANを構築するのに必要なものとしておきましょう。
イーサは19世紀の物理で光が伝播する媒質「エーテル(英語でEther『イーサ』)」から、ネットは「ネットワーク(Network)」からきています。
まあ、それはいいとしてこの「イーサネット」には通信速度の違いや通信方式の違いがあります。
通信速度はまあ、10Mbit/s・100Mbit/s・1000Mbit/sというやつですね。この違いです。
通信方式は「デュプレックス(Duplex)」において区別があります。
デュプレックスは「双方向」という意味ですね。これと反対用語で「シンプレックス(片方向)」があります。
つまり双方向通信、双方から同時に通信(受信・送信)ができる通信方式のことを言います。
さてこのデュプレックスですが、さらに区別することができます。
今上で説明したものは「全二重(full-duplex)」というもので、もう一つ「半二重(half-duplex)」があります。
これはデュプレックス通信において同時に双方から通信ができず、ある時間において片方のみからしか送信できない通信のことを言います。
そして、これらを総合して
・100Mbps/全二重通信(100Mbps Full Duplex)
・100Mbps/半二重通信(100Mbps Half Duplex)
・10Mbps/全二重通信(10Mbps Full Duplex)
・10Mbps/半二重通信(10Mbps Half Duplex)
・自動検出(autodetect)(デフォルト:オートネゴシエーションとも表記される)
といった具合に各モードがあります。上4つは固定通信モード、自動検出は自動でモードを判別します。
さて、ここで押さえておくべきことなのですが「通信モード」は接続されたPCとスイッチング・ハブなどの設定が同じでないと通信に失敗する場合が多々あるということです。
自動検出はPC・ハブ両方から一定間隔で信号を送り、情報を得て検出しますが、互換性の問題から本来100Mbpsなのに10Mbpsで送信されることがあり、例えばハブから10Mbps、接続されたPCは通信モードを100Mbpsで固定して信号を送った場合、双方の設定が合わず、エラーとなってしまいます。
さらにネットワーク機器にも相性があり、マルチベンダーによる相性の不一致、ケーブルの良し悪しなどによって正しい通信方式を認識することができず、通信に失敗するケースもあります。
また、企業によってはネットワーク管理者により、支給されたPCの通信モードを「100Mbps/半二重通信」などに固定している場合があります。
これらのいざこざで結果的に通信に失敗することがあるわけです。
こういった場合、「自動検出」に変更しなおしたり、「10Mbps/半二重通信」にしてやると解決することができたりします。
通信速度は遅くなりますが、通信できないよりはいいと思います。
では難しい説明はここまでにして以降は設定方法です。
確認の意味でも少しは知っておいたほうがいいと思います。
設定方法
一応ですが、Adminで設定したほうがいいかもしれません。企業などによっては設定できなくしてしまっている可能性があります。
まずは「コントロールパネル」からVistaなら「ネットワークと共有センター」
アイコン

XPなら「ネットワーク接続」へと移動してください。
その後、XPなら該当する「ローカルエリア接続(Local Aria Network)」で右クリックして「プロパティ」を開きます。

画面はVistaですが同じような画面です。
Vistaの場合は「ネットワークと共有センター」を開いた後、エクスプローラの左側にある「タスク」から「ネットワーク接続の管理」をクリックしてください。

そうするとXPと同じような画面が出てくるので同じように該当するアダプターで右クリックして「プロパティ」を開きます。

もちろん他の方法で開くこともできます。
次に「プロパティ」画面の「接続方法」の右下にある「構成」をクリックします。

これでネットワークアダプタのプロパティが開きます。

これは「デバイスマネージャ」から行くこともできます。
続いて「全般」タブから「詳細設定」タブへ移動します。

するとこんな感じで表示されますので、左の「プロパティ」リストから「リンク速度とデュプレックス(Link Speed & Duplex)」を選択します。
これは単に「速度とデュプレックス」という場合もありますし、英語で「Link Speed」だけの場合もあります。
その後、右の選択肢から通信モードを選択します。
・100Mbps/全二重通信(100Mbps Full Duplex)
・100Mbps/半二重通信(100Mbps Half Duplex)
・10Mbps/全二重通信(10Mbps Full Duplex)
・10Mbps/半二重通信(10Mbps Half Duplex)
・自動検出(autodetect)
私のPCでは「自動検出」が「オートネゴシエーション」になっています。
ここで「10Mbps」や100Mbpsなどになっている方は「自動検出」に変更してみてください。
あとはOKで設定変更を完了するとLANが再認識され再接続がされます。
また、間違えて別の設定をいじってしまったり、ホイールでよく分からない設定に変えてしまった場合は、キャンセルして設定しなおしてください。
あくまで普段から通信エラーなどが起こる方や公共の場でインターネットを利用するときのTipsとしてです。
普段から問題ないという方は特に設定変更しなくていいと思います。
また、説明に関しては間違っている部分もあるかと思います。
私の知識もまだ足りない部分があると思いますので、間違っていたりした場合はどうぞご指摘お願いします。
タグ:ネットワーク
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